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事例・コラム

2023/09/29 16:18

サブリース物件が売却困難な5つの理由 その4

その4:サブリース物件は売買価格が安くなる

 アパートやマンションを売却するときの売買価格は、取引現場では多くの場合簡便な方法である「収益還元法」により決定されます。物件を購入する投資家は家賃収入を目的にするので、利回りを重視して売買価格を決定します。
 「収益還元法」の計算式は、次の通りです。
 価格=収益(1年間の家賃収入-経費)÷期待利回り
 ここで注意して頂きたいのは、土地と建物を一体として価格を算出していることです。尚、期待利回りとは、投資家が購入後に期待する利回りのことです。
 築古物件(中古物件)の利回りは、アパートとマンション、築年数、大都市と地方都市などによっても異なりますが、目安として、約5~10%程度です。築年数が経過している物件ほど利回りは高くなり、投資回収期間は短くなります。
 具体的な数字を使用して説明しましょう。例えば、サブリース契約の築古アパート、1年間の家賃収入500万円、期待利回り10%、サブリースの管理委託手数料20%のケースを考えてみましょう。
(1)サブリース契約をしていない物件の価格は、500万円÷0.1=5,000万円
(2)サブリース契約をしている物件の価格は、400万円÷0.1=4,000万円
このようにサブリース物件のアパートやマンションの収益性は低いと見なされます。投資家の評価は4,000万円と通常の物件より1,000万円も低くなります。さらにオーナーに5,000万円以上の多額の借入金がある場合は、売却金額が残債を下回る「オーバーローン」状態の場合、借入金の返済問題が残ります。
 サブリース物件は購入する投資家にとって、収益が落ちるため利回りが低くなり購入したくない収益物件になります。一方、オーナーにとっても家賃収入が少ないので、売買価格が安くなります。