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後東 博 ごとう ひろし

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事例・コラム

2024/02/07 10:31

30年後、サブリース契約アパートの立退き交渉問題

立退き交渉はサブリース会社に依頼できない

サブリース物件(アパート・マンション・貨家など)のオーナーやサブリース契約をしていないオーナーでも、老朽化した賃貸物件の入居者の立退き交渉を、当然に不動産会社に依頼できると思っている人が多くいます。本来、立退き問題は賃貸物件を建築する前に理解すべき事柄ですが・・・。
立退きについて知らないオーナーが多いということは、建築するときに、不動産業者が「オーナーに入居者の立退き交渉と立退料などを説明するとアパートやマンションを建築しない」ので、敢えて説明をしないのでしょう。
 オーナーが不動産会社に依頼する業務の中で、法律違反に該当する可能性があるのは以下の通りです。
・家賃滞納の督促
・原状回復費用の請求
・明渡し交渉
・立退き交渉
 「明渡し」とは入居者の所有する物を全て撤去した状態でオーナーに引き渡すことです。部屋の原状回復や鍵の返却などをする必要があります。「立退き」とは、オーナーが建物の取り壊し、建て替えを理由に解約の申し入れをしたり、契約更新を拒否したりして、賃貸物件から入居者の退去を求めることを言います。
不動産業者や行政書士・司法書士に立退き交渉を依頼することは、弁護士法第72条の非弁行為にあたり、原則として禁止されています。違反には刑罰が科されます。また、事前に事情を知って依頼したオーナーも罰せられる可能性もあるため注意が必要です。
 不動産業者の中でも管理会社は、入居者やテナントと話し合いすることが多く、交渉がトラブルに発展し非弁行為が発生することが多くあります。立退き交渉や明渡し請求などを賃貸物件で何度か行えば、法律違反と認められる可能性があります。
 実際に、平成22年(2010年)7月20日最高裁判決のスルガコーポレーション事件では、不動産会社による立退き交渉を法律違反としました。その内容は次の通りです。不動産会社がビルのオーナーから委託を受け、ビルの入居者(賃借人)の立退き交渉を行いました。立退き交渉が「その他一般の法律事件」に該当し、弁護士法第72条違反として、不動産会社の社長は懲役2年、執行猶予4年になりました。