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愛知相続サブリース・老朽アパート研究所
2024/02/07 10:33
オーナーはサブリース物件の入居者の立退き問題で勘違い
サブリース契約のアパート・マンションを所有するオーナーは、入居者の立退き問題で多くの勘違いをしています。
1つ目の勘違いは、30年後の契約期間満了時にアパートやマンションの入居者(転借人)の立退き交渉を、サブリース会社がやってくれると勘違いしていることです。
2つ目の勘違いは、30年後の契約期間満了時にサブリース契約が終了し、更地にして土地が返還されると勘違いしていることです。
3つ目の勘違いは、サブリース会社とオーナーがマスターリース契約を解約すれば、入居者(転借人)が退去し、部屋を自然に明渡ししてくれると勘違いしていることです。
これらの間違いについて、以下で具体的に説明します。
マスターリース契約には借地借家法が適用される結果、30年の契約期間が満了する場合であっても、契約期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知を行う必要があります。
(借地借家法第26条の適用)
その上、更新拒絶するためには、「正当な理由」が必要になります。
(借地借家法第28条の適用)
オーナーがマスターリース契約を解約できる3つの方法
(1)オーナーによる「正当な理由」を備えた期間満了による更新拒絶
(2)オーナーとサブリース会社との合意による解約
(3)サブリース会社からの更新拒絶による解約
ここで注意してほしいことは、マスターリース契約を解約しても、必ず入居者(転借人)に立退かせることができるとは限らないことです。
判例では、マスターリース契約がオーナー(賃貸人)とサブリース会社(賃借人)との合意で解約された場合、オーナーは入居者(転貸人)に対して合意解約による立退きを求めることはできないと解されています。 (改正民法613条3項適用)
また判例では、サブリース会社からの更新拒絶によってマスターリース契約が終了した場合、オーナーは入居者に対して立退きを求めることはできないと解されています。従って、別途入居者との立退き交渉をしなければなりません。