2025/09/16 10:11
どんな土地にも何らかの制約や特徴があります。
重要なのは「それらをどう読み解き、住まいの設計に活かすか」という視点です。
今回は、土地の個性を引き出すために大切な「3つの外構設計の視点」をご紹介いたします。
1.凹凸をつけた配置計画で、視線をコントロールしながら自然を取り込む
たとえば、こちらの建物は写真左側の浴室を張り出したことで、デッキ側には自然とプライベート感が生まれ、あえて囲いなどを設けず落ち着きのある空間に仕上げました。
この他、レイアウト次第で以下のようなプラス要素が生まれます。
・室内から見える景色に変化が生まれ、窓の外に緑や空の広がりを感じる
・外からの視線を適度にさえぎり、安心して開けた窓やデッキ空間がつくれる
・家の中にいながらも、屋外とつながる開放的な暮らしが楽しめる
また、玄関までの動線の中で視界に入ってくる植栽やファサードの見せ方にも配慮し、ここに緑を添えることで、住まいの印象がぐっと豊かになります。
2.高低差を活かして、コストを抑えながら快適な動線をつくる
たとえば
・擁壁を設けずに、建物の基礎を深く設計することで法的・構造面をクリアし造成費を削減
・高低差をスロープや階段で自然に処理し、デザイン面に工夫を施して印象的なアプローチに仕上げる
・高い位置に建物を配置し、眺望や採光、通風を活かした設計を行う
土地の条件というのは、地形を活かす視点で“制約”ではなく、設計の可能性を広げる“きっかけ”と考えます。
3.屋外スペースを“機能”で分けて活用する!分散型の庭づくり
たとえば、複数の庭に“役割”をもたせる。
・家族や友人とBBQやプールを楽しむ庭
・子どもが三輪車で走ったり、砂場で遊んだりする庭
・季節の草木を眺めて楽しむ、癒しの庭
・外干しもできる、家事動線と連携したデッキ
また、勝手口まわりも暮らしに合わせて多目的に活用できます。
・ゴミの一時置き場
・宅配ボックスやストック品の置き場
・雨に濡れず出入りできる、買い物帰りに便利な屋根付きスペース
といった、機能的な裏動線のスペースとして設計することも可能です。
土地の形や広さ、高低差といった条件はどの敷地にも少なからず存在します。
それを「制約」ではなく「特徴」ととらえ建物と外構を一体で計画することで、そこでしかできない暮らしのかたちを実現しましょう。